2015年06月20日

ブラックアウト

2015年1月@マドリッド-スペイン by ダイチ

1月10日、土曜日の明け方、ボクはなんだか落ち着かない気分で目が覚めました。ボクもスミちゃんもいつものようにパピたちのベッドルームで寝てたんだけど、夜中に階段から落ちたりしないように、ベッドルームのドアは閉まっています。

ボクはじっとしてられなくて、パピたちのベッドルームの中でウロウロ歩きまわったので、パピもマミも起こしてしまいました。もしかしたらお腹が空いてるのかもしれないと思ったマミは、下のキッチンに行くために階段を下りはじめて、まだ階段の一番上にいたボクを呼びます。

一緒にキッチンに行くと、マミはボクにクッキーを1つくれたので、ボクは尻尾を振ってマミにありがとうと伝えました。

その日はおばあちゃんがバルセロナに帰る日で、パピはAVE(スペインの新幹線)でおばあちゃんをバルセロナまで送っていくことになっていたのですが、まだ6時、起き出すには少し早すぎます。

マミは「ダイちゃん、マミ、もうちょっとだけ寝てくるね。」と言って2階に上がって行きました。というのも、前の家に住んでいたころ、ボクが明け方に勝手に下におりて、一人でソファーで寝るっていうのはよくあったんです。

ボクはリビングのソファーには行かず、コンピューター部屋で寝ることにしました。眠ってしばらくするとあのブラックアウトがやってきました。あれが来るとボクはなにも覚えてないんです。

でも、このときは今までとは違いました。気がついたら、ボクはもうボクの体から離れてしまっていたんです。いくら戻ろうとしても戻れません。

そうこうしているうちにパピがおばあちゃんを起こすために下におりてきました。おばあちゃんが寝ているのはすぐ隣りの部屋だったんです。でも、ただならぬ静けさをなんとなくおかしいと感じたパピは、何気なくコンピューター部屋を覗いてボクの動かない体を見つけます。

パピは慌ててボクを揺すったり、心臓をマッサージしてみたりしたのですが、ボクの体は反応しません。大声でマミを呼んだパピですが、そのとき着替えていたマミは、またボクが発作を起こしたのかな…と思っただけで、ことの重大さにまったく気がついていませんでした。

急いで下りてきたマミはボクの体を一目見て一瞬絶句します。それから「ウソ、ウソ、こんなのウソに決まってる。ダイちゃん、起きて! 早く、起きなさい!」と泣きながら、パピと同じようにまだぬくもりの残る体を揺すったり、マッサージしたり、息を吹き込んだりしようとしました。

でも、ボクはやっぱりボクの体の中には戻れなかったんです。
posted by ダイチ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生い立ち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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