その頃ケレタロの外の気温は34度ぐらいありました。空気が乾いてるから日本の34度みたいに暑くはないんだけど、それでもやっぱり暑いです。そんな中、マミたちは新しいお家や車を探してあるいてました。ロドルフォさんは、息子さんが帰ってくるまでそのお家に住んでていいと言ってくれたのですが、正直なことを言うと、そのお家があったところはあんまりいい地域ではなかったんです。
14軒見た中で、カレサに住んでた頃よくお散歩に来てたアラモス地区にあるお家がまあまあ気に入ったので、マミたちはそこにすることにしました。不動産屋さんと契約前の最終確認をしたときのこと、道路に面しているマミたちのベッドルームになるお部屋の窓から外を見ると、門のすぐ外に大きな木が植わっているのが見えました。その木をよじ登れば、門の脇の塀に届いて、そこからベッドルームの窓までたどり着けちゃいます。
「なんだかここ不用心な感じがするよね。私みたいに身軽な人ならここまで来れちゃうよ…。」なんて言いながらマミが窓を開けると、窓枠が歪んでいて、そこには大きなドライバーでこじ開けた跡がくっきりついていた上に、となりの家側の壁を見ると、黒い足跡が残っていました。
どうやらこの家には泥棒が入ったことがあるみたいです。それも、マミが思ったルートじゃなくて、作りかけで放ったらかされてる隣りの家の屋根からロープでも使って下りてきたようです。
マミたちが長い旅行に行っちゃうとワタシたちはペンションに行くので、いつも車があってワタシたちがいないと留守なのはすぐにバレちゃうから、このままだと泥棒に入ってくれと言ってるようなものなので、マミたちは不動産屋さんを通して大家さんにお隣りとの境目に電気が流れる柵を取り付けることと、外から入れそうな窓には鉄の柵をつけることと、アラームを付けることをお願いしました。
結局、窓に枠を付ける代わりに、今までは外から中が見えていた門に鉄の板を付けて中が見えないようにすることになって、契約が成立して、いよいよ新しいお家に移ることになりました。家具や荷物はヨーロッパに行く前に預けた倉庫から引越屋さんに運んでもらうんですが、段ボールが100個以上あったので、マミは始める前からウンザリしてたんだって。
この新しいお家、ヨーロッパに行く前にフリキージャで住んでたお家に比べるとお庭がすごく小さかったんですが、モモの木があって、たくさんモモがなってました。パピにとってはそれもこのお家に決めた理由の1つだったみたいです。
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