2005年8月@ケレタロ-メキシコ by ダイチ
パピのお仕事の仲間にフランス人のジルさんという人がいました。家にもたまに遊びに来てボクたちのことを可愛がってくれていたのですが、ある日、友だちからチョコレート色のラブラドールの子犬をもらってくれないかと言われて、その子を飼うことになりました。ジルさんがその子につけた名前がパンチョです。いかにもメキシコっぽい名前ですよね。
パンチョがジルさんの家族になってから間もなく、ジルさんと奥さんは奥さんの妹の結婚式に出るために遠くの町まで行かなければならなくなったので、その間、パンチョは家で預かることになりました。
パンチョは、ボクのことは男の先輩として尊敬していたのかあんまり寄ってこなかったんだけど、スミちゃんにはまとわりついて、しつこくちょっかいを出していました。スミちゃんもずっとガマンしてたんだけど、パンチョがスミちゃんの鼻先を噛んだときについに怒りが爆発してしまいます。
パンチョのクビねっこをくわえて、ブルブルと振り回したんです。その様子があまりにも激しく見えたので、このままじゃスミちゃんがパンチョをどうにかしちゃうんじゃないかと心配したマミがスミちゃんからパンチョを引き離そうとしたとき、はずみでスミちゃんはマミの手首を噛んでしまいます。
噛まれたところが悪くて、血がたくさん出たので、マミよりパピが大慌て。スミちゃんも自分がとっても悪いことをしてしまったことに気がついて、机の下に隠れてしまいました。
パンチョは別にケガもしてなかったので、とりあえずバスルームに閉じ込めて、マミたちは病院に行きました。血がたくさん出たわりにはキズはそれ程でもなくて、一針縫っただけですんだのですが、マミの右の手首には今でもうっすらとキズあとが残っています。
パンチョもさすがにこたえたのか、それからスミちゃんにちょっかいを出すことはありませんでした。この後、ボクたちがパンチョに会うのは4年後なのですが、そのときもまだパンチョはスミちゃんが怖かったみたいです。
2007年にジルさんのところに女の子が生まれると、だんだんパンチョはかまってもらえなくなってしまいます。そして2010年のある日、散歩の途中で急にはぐれてどこかに行ってしまったそうです。ジルさんは一生懸命捜したけれど、もうパンチョが戻ってくることはありませんでした。
ボクたちはどんなにノーリードでお散歩しても、マミたちからはぐれることはないし、家から出て行きたいなんて思ったことは一度だってないのに、いったいどこに行っちゃったんだろう? パンチョはジルさんがしつけのためにつけた電気の流れる首輪が嫌だったのかもしれません。かわいそうなパンチョ。
今日の写真は、パンチョ事件の少し前に撮ったスミちゃんです。パンチョの写真がないのが残念です。
2015年03月08日
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